Hummingbird
調香師は Shelley Waddington。
今回はストレートに、ハチドリですから、花と蜜です。
トップは梨とハチミツが目立ち、次にバイオレットリーフやチューリップのグリーンと、モスの香りがはっきり感じられるようになります。そこからゆっくりとフローラルが現れてきて、引き換えにグリーンはフェードアウトしていき、フルーティフローラルを引き立てる控えめなバランスでうまく落ち着きます。
ミドル以降はフルーツとフローラルが分離している感じがなく、溶け合うような一体感があり、端正な印象を受けます。主に感じられる優雅なフローラルがライラックだと思うのですが、これがうっとりするような香りで素敵です。
甘くて可愛らしい香りなので僕は似合わないかもしれませんが(でもこのブログ記事は喫茶店で書いてます)、サンプルは自宅でこっそり楽しもうと思います。
Civet
調香師はハミングバードと同じ Shelley Waddington。
サンプルパッケージにある通り、2017 The Art and Olfaction Awards インディペンデント部門ファイナリストに選出された香水だそうです。The Art and Olfaction Awards は香水のことを検索しているとしばしば目にしますが、過去の賞が2014年からとなっている新しいアワードのようです。(というか Bat はWinnerを受賞していましたね。こっそり記事を改竄しておきます。)
主催となる The Institute for Art and Olfaction は2012年にロサンゼルスに設立された非営利団体で、香水のみならずメディアアートの1分野としての嗅覚アート全般を支援、教育する組織です。プログラムやカレンダーを見ると興味深げな講義やワークショップが並んでいますね。
話をシベットに戻して、
トップでスパイスが一瞬香ったあとにすぐにフローラルが甘く立ち。その中からアニマリックとレジンな香りが次第に顔を出します。その名の通りジャコウネコの香料の働きをする香りが含まれているはずですが、これについてはもちろん本物を嗅いだことはなく、ムスクのように「石鹸ぽくて、なんとなくグッとくる」系の香りなのかなーと漠然と感じるだけです。
一言で言えばフローラルバルサミックレザー。ハミングバードもそうでしたが、こちらもミドルが絶妙にまとまっていると感じます。複雑な香料のリストを見ながら、そう言われればコーヒーも感じる、インセンスも香る、という気がするのですが、全体的にそれらが何かひとつのものから香っていると感じ取れるように正確に調整されている印象です。
その後はゆっくりとフローラルが落ち着いて、レジンとレザーが残っていきます。フローラルといいながら、レザーもしっかりめで、男女を問わず使える気がします。とりわけ秋には良さそうです。