Beaver, Rhinoceros – Zoologist

Beaver

調香師は Chris Bartlett。

トップにシトラスとフローラル(Linden Blossom とはライムの花のこと)が香ります。そこからすぐに下草の茂った水際に潜むビーバーというイメージの香りになります。実際のビーバーの匂いはもちろん知りませんが、カストリウム(海狸香)というビーバーの香嚢から取れる香料(を合成したもの)の匂いのようですね。

シトラスはすぐに消えていきますが、Linden Blossom はミドルでも香ります。それ以外は、ビーバーがかじる樹木、湖畔の下草、水際の匂いであるオゾンノート、ビーバーのレザー、かなり写実的な香りです。Panda や Nightingale のような可愛らしいイメージによる表現はないのです。

僕はオゾンノートがそれほど好きではないのですが、ドライダウン後にふっと香る感じはちょっといいですね。リアル寄りとはいえケモノ臭よりも水辺の雰囲気が強めという感じで、全体的に涼しげで爽やか。夏の暑い日にも良さそうです。

Rhinoceros

調香師は Paul Kiler。調香変更以前の Panda はこの方の調香だったみたいですね。

トップはベルガモットとセージやパインなどのグリーンノートが一気に広がります。鼻に抜ける爽やかでスパイシーな感じはラムとエレミでしょうか。エレミは樹脂から抽出する香料でレモンとスパイスのような香りとのこと、鼻通りがいいのはこれかなと思います。

ミドル以降はエレミとパイン、そして強烈なレザーとウードがズシンときます。タバコのスモーク感も、僕の場合は強めに香ります。そして次第に埃っぽいレザーとウッディのみの頼もしい香りに着地します。

エレミとタバコのエッジのある香りと、レザーとウードのヘビーな香りの高低差がダイナミックです。そしてそのどちらも男性的で、ちょっとスゴみがあるというか、がっしりとたくましい男性にぴったりな香水です。

Zoologist