Nightingale, Moth – Zoologist

Nightingale

調香師は稲葉智夫。日本の方ですね。

ナイチンゲールはサヨナキドリ(小夜啼鳥)のことだそうで、ウグイスのように美しい声で鳴きます(YouTubeでみました)。残念ながら日本にはいない鳥ですが、この香水を楽しむときにはウグイスだと思っていいでしょう。写真を見ればわかる通り、また香料の Plum Blossom を見てもわかる通りまさに「梅に鶯ホーホケキョ」のイメージなのです。

トップはほんのり酸味とプラムを感じるローズ。この酸味のあたりがなんとなく不思議な、不安定な感じがしたのですが、これはプラムから梅干しの塩を連想してしまうためかなと思っています。もちろんただの日本人的情緒なので実際には塩の香りは含まれていません(一回だけアンバーグリスの塩っぽさを感じるという評価を見かけましたが、本当でしょうか)。

個人的にはフルーティというよりはフローラルが優っていて、石鹸ぽさもしっかりしているのでオーセンティックなお化粧品感があります。ミドルでまろやかになると酸味がなくなるので塩の幻想にも惑わされず、素直にプラムを感じられました。

意外にも、男性でもOKという評価があって、もうこの辺りは純粋に好みにしたがって良さそうです。

Moth

こちらも稲葉智夫さん。

開幕のインパクトがすごいです。アルコールが飛ぶとスパイスが一気に駆け抜けて、フローラル(Heliotrope、iris、Jasmine、Mimosa)が徐々に現れながら、瓜、スモークを感じたあと、粉っぽさと花の香りに落ち着きます。これが数分の出来事。ひと呼吸ごとにめまぐるしく変わっていくさまに驚きます。

まだまだ花のいろいろを嗅ぎ分けることはできないのですが、ミモザはどうやらパウダリー、グリーン、杏仁豆腐の甘さが感じられ、ヘリオトロープはバニラ、ベビーパウダーを思わせる香りとのことです。スモーキーではありますが野生的というほどでないのは、このベビーパウダー感のなせるわざかもしれませんね。

ミドル以降はうまくまとまったパウダリーフローラルといった感じで、近いイメージだと思っていた Bat と比べると Moth のほうが断然つけやすいです。コートを羽織る季節にはハマりそうです。

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